『電波男』と『ルサンチマン』 ― 2005/05/29 23:42
「現実を直視しろ。おれ達にはもう仮想現実しかないんだ」
購入のきっかけは、表紙がラインハルトだったから。ラインハルトとは、『銀河英雄伝説』ではなくて、花沢健吾『ルサンチマン』(小学館)に登場する、主人公の友人「越後」の、アンリアル(巨大体感ネットゲーム)での姿です。
現実(うつしよ)は夢、夜の夢(アンリアル=仮想現実)こそ真実(まこと)、とうそぶく彼は、現実の自分(引きこもり)を捨て、仮想現実に没頭します。強力なマジックユーザーであり、2度の大戦を生き抜き、5人の愛人と暮らす英雄「ラインハルト」として。
越後は、オタクの理想をかなえた漢です。クライマックスで、彼は彼にとって現実以上、いや、現実そのものである世界・・・・・・仮想現実を救うため、力の限り戦います。そして、仮想現実は現実となります。彼にとって。最終巻の裏表紙は、それを暗示していると信じたい。
愛する人間を、愛する世界を守るため、命がけで戦う。そんなことが出来る人間を、現実世界は見放してしまいました。そんな"現実"が正しいといえるか? 『電波男』での本田氏の主張に、全面的に同意するわけではありませんが、共感できる点は多々あります。
今日買った本
- 本田透『電波男』三才ブックス
- 大槻ケンヂ『大槻ケンヂのプロレス格闘技世紀の大凡戦!』洋泉社
- と学会『と学会年鑑Rose』楽工社
- 『Role&Roll12号』新紀元社
- 吉田光由『塵劫記』岩波書店
最後の本は、江戸時代に大ベストセラーになった数学の本。当時の日本の数学は、世界でも最高レベルだったそうです。
最近のコメント