最後のミューロケット? その2 打ち上げ当日2006/09/23 23:24

内之浦へ!

0時前にホテルを出て、まずは志布志へ。該当もほとんど無く真っ暗で、ペースを落として進むと志布志の町に。前回来たときは港付近の一部しか見てなかったんですが、思ったよりも大きい町です。深夜でしたが、運転代行の車が走り回ってました。このあたりでよく見かけるエブリワンというコンビニでたこ焼きとカロリーメイトを買い、エネルギー補給。ファミリーマートを過ぎ、内之浦に向かいます。やはり街灯はほとんど無く、ハンドルバーにつけたLEDと、後ろから追い抜いていく自動車の明かりが頼りです。

『宇宙へのパスポート2』に登場した花ルーピンを過ぎ、内之浦への道程もあと半分、海沿いの山道に突入するあたりで、あることに気づきました。「追い抜いていく車、多すぎる・・・・・・」。さまざまな所での記述から、車が多くなるのは早朝だと想定していたんですが、まだ深夜1時過ぎ、こんなにも多くの車に追い抜かれるとは・・・・・・打ち上げ見学所の様子を想像して、ちょっと暗い気分になりつつ自転車をこぎ続けます。

内之浦に到着!

それからしばらくは上りが続きますが、ロケットが見える丘PAからは基本的に下り。前に来たときよりもたくさんの人がいます。そこから下るとすぐに内之浦市街へ。ロケット打ち上げ当日とはいえ午前3時の内之浦は静まり返っています。その中を車がびゅんびゅん通過。市街を抜けるとあの上り坂が待っています。

炎天下の前回よりはましですが、やはり一気に登ることができず、観測所の手前でしばらく休憩してから観測所へ。自動車がたくさん集まり、閑散としていた8月とは大違いです。トイレを済ませ、見学所へ向かいます。

前回下見を断念した見学所、断念して正解でした。けっこうアップダウンが激しいです。見学所へたどり着くと、空き地を埋める車と、見学所の斜面を埋める人、人、人。自転車を適当に止め、階段を上って見学所の一番奥へ。寝ている人を踏まないようにするのが大変でした。

足の踏み場も無いくらいの見学所で何とかポジションを確保。うとうとしたり携帯電話で状況を確認したりしながら打ち上げを待っていると、明け方、ぱらぱらと雨が。いつ打ち上げ中止のアナウンスが入るかとはらはらしながら待っていると、雨が上がり、どうやら打ち上げは行われる様子です。見学所には人が入りきらず、車は内之浦に戻るよう誘導されています。

いよいよ打ち上げの瞬間がやってきました。山の向こうに見えるM-Vロケットの根元にオレンジ色の閃光が。本当に鮮やかなオレンジ色です。しばらく送れてばりばりという音が伝わってきます。ロケットは噴射煙を引きながらわれわれの頭上を超え雲の中へ。残った煙から塩素臭が漂ってくる気がします。会場のスピーカからは「ロケットは正常に飛翔しています」のアナウンス。

見学所の人たちは帰り始めますが、動こうとしない人も多数。さらにしばらくして「衛星分離を確認」のアナウンス。拍手が起こりました。初めてで、そして最後のミューロケット打ち上げが予定通りの打ち上げ、しかも成功という最高の結果です。

満足して見学所を下り、渋滞の自動車の間を縫って自転車で観測所まで。そこを超えると渋滞も解消。内之浦まで一気に下り、そのままの勢いでロケットの見える丘PAまで。トイレに。なぜか自販機が動いていない・・・・・・コーヒー飲みたかった。

鹿屋~志布志

その後、進路を変え鹿屋へ。眠気でふらふら・・・・・。海上自衛隊の航空基地で前から見たかった二式大艇を見学。航続時間が24時間、当時世界最高性能の飛行艇。それに比べて今の航空業界は・・・・・・。戦争はやるからには勝たにゃいかんなぁ。

お土産買って、鹿屋市外で昼食。ランチの刺身がお代わり自由。この刺身がまたうまい。満足。

鹿屋市街、商店街はシャッター街。しかし、郊外に出ると大型店舗が並び、結構な賑わい。さすがに疲れているので、次にジョイフル(このあたりでよくみるファミレス)があったら休憩しよう、と決めて志布志へ向かう。が、結局ジョイフルは出現せず、大崎に到着。あすぱる大崎へ。乗る予定の列車まで時間があるのでゆっくり風呂につかり、コインランドリーで選択。ドラゴンズ福留の出身地ということで、ドラゴンズ扇子も遠慮なく使えます。ゆっくり休憩し、志布志へ。

志布志駅に自転車を置き、市街の大きな店へ。閑散としている店内で鯵の造り。思ったほどうまくない。早々に退散し駅近くの食堂へ。こちらでも鯵。こっちのほうが美味しい。店内のTVでニュース、M-V成功の報。駅へ戻り自転車をバラし、待合室へ。駅のノートを見ると、相模原から来た宇宙研の方の書き込みがありました。列車に乗り込み、南宮崎へ。

名古屋へ帰る

南宮崎へ到着してしばらくすると、博多行きの夜行列車、ドリームにちりんが到着。まだ乗れないかな、と思って駅員さんに尋ねると、もう乗っても良いとのこと。自転車を置いて、駅近くのコンビニで酒など買う。飲んだくれているうちに発車。早々に寝る。翌朝、小倉着。しばらく待ってから新幹線に乗車、名古屋へ帰る。

最後のミューロケット? その1 名古屋~宮崎~志布志2006/09/22 23:49

初めての飛行機

日本の科学衛星打ち上げ用ロケットの最新鋭にして、世界最大の全段固体ロケットであるM-Vロケットが諸般の事情(これについては宇宙作家クラブニュース掲示板に投稿された笹本佑一氏の記事を参照してください)により、9月23日に打ち上げられる7号機をもって運用を終了することになりました。

2月に8号機の打ち上げを見逃した僕としては、どうしても見に行かねばなるまい!ということで、8月に続き2度目の内之浦訪問を決めました。・・・・・・まあ、8月はおそらくこの時期にあるだろう打ち上げに備えた下見だったわけですが、まさか最後になろうとは。

1ヶ月前に割引の航空券(久しぶりだなヤマトの諸君、のやつ)を購入し、昨日21日にJRの周遊きっぷを(職場近くの旅行会社で、ほとんど発券したことの無いきっぷのため戸惑う店員さんから)購入しました。生まれて初めての飛行機です。

職場を早退し、自転車で金山総合駅へ。新しくできた橋の上の入り口で自転車をバラし、セントレア行きのミュースカイに乗り込みます。空港に着いて、自動発券機で発券・・・・・・どの機械か分からず戸惑う。何とか発見して、発券したあと荷物を預けに。自転車は、輪行バッグから飛び出ていたスタンドをしまってくれと言われた以外は特に問題なく預けられました。必死でしまって、「壊れても文句言いません」という誓約書にサイン。荷物のほうは、バックパックに入れてあった炭酸ガスのボンベ(空気入れ用)がNG。考えてみれば当たり前か。空でパンクしてたら困るなー、と思いつつ破棄しました。

小さいバッグのみの身軽な姿になり、売店でなぜかドラゴンズの扇子を購入、ゲートへ向かいます。荷物全部おいてゲートを通るもキンコンと反応が。靴。紐を通すところが金属製なうえに靴底にはペダルに固定するための金具が。そりゃ、鳴るわな。

出発ロビーへ行き、ビールと弁当を買って搭乗を待っていると、制服姿の高校生の姿が目に付きました。(何でこんな時間に? 修学旅行でもなさそうだし)と考えることしばし。あ、そうか。九州から就職試験に来た帰りですね、多分。その後しばらくして搭乗。初めての飛行機に戸惑いつつも楽しみながら1時間ちょっとで宮崎空港に到着。

ローカル線で志布志へ

宮崎空港から南宮崎へ移動し、駅弁を購入して列車を待っていると、地元の高校生が並び始めました。通学の足として利用されているようです。

電車が到着すると、通学の高校生や、通勤の人々でいっぱいでした。何とか車両の一番後ろのスペースに自転車を置き、志布志に向かって出発しました。

志布志のひとつ手前で降り、自転車を組み立て、近くにあるホテルの温泉へ。0時まで時間を潰して、いよいよ内之浦へ出発します。

帰名、そして、演芸場へ。8月上席楽日2006/08/10 22:51

大阪から名古屋へ

大阪南港に到着、自転車を下ろし、大阪駅を目指す。大阪市内、まず、原付がすごい。道路と車の間にちょっとでも隙間があれば入り込んできます。数も名古屋より多いように思います。また、ほとんどの自転車が信号無視をしているのに驚きました。「車が来てなきゃ渡ってもよい」というコンセンサスができている様子。

大阪駅で自転車を分解、18きっぷで名古屋へ。到着したのは13時過ぎ。うーん、どうしようか迷ってたけど、今からなら2部に間に合う。演芸場に行こう!

大須演芸場8月上席・楽日

獅篭さんがトリを取る、ということで、やっぱり観ておかなくては、と演芸場へ。入ると、まだ第1部、舞台には獅篭さんが。「山にでも行ってきたみたいだ」と言われる。さもありなん。でっかいリュック背負って、頭には海賊みたいな頭巾、まだらな日焼け。ううむ。お客さんは結構いて、満員。8人くらいだけど。大須演芸場では、1人、2人、満員、と数えるのです。

獅篭さんの噺は「勘定板」。下ネタ。獅篭さんの日記「大須青春日記」を読んでいて、「聞いてみたいなぁ」と思っていた噺だったので、嬉しい(^^)/。

第2部、まずはなごやのバタやん先生。大須なごやか音頭、だいぶ覚えましたよ~。続いて福三さん。TV愛知のドラマに出演するとの事。噺は「フラスコ」・・・・・・だったかな? そしてよしおかつかさ先生登場! 久々の腹話術、笑わせていただきました。ここに到って、お客は僕と、真ん中に座った女性の二人。いやな予感がしてきました(^^;。毎日ばあちゃんが入ってきて、ちょっとホッとする。

次の登場は、めおと楽団ジギジギ。音楽と漫談を組み合わせた感じで、非常に楽しい。カオルコさんの、頭でピアニカを弾く芸は圧巻でした。次回は正月興行に出演予定ということで、楽しみです。

その次は三亀司師匠。久しぶりに観る曲独楽。しかし、先ほどの女性はいつの間にかいなくなってしまい、毎日ばあちゃんと、後ろの方に座った若い女性、そして僕の3人に。で、獅篭さん登場。曰く「後ろの二人はサクラですから、実質お客さん一人ですよ」

う~ん、いつかはこの日が来ると思っていましたが、ついに来てしまいました。大須演芸場名物の1対1(^^;。

獅篭さん「今日はお客さんを楽しませる会、と言うことで」。まず、似顔絵を描いてもらう。初似顔絵。わざわざ「1対1」と書いてもらう。で、噺もリクエストを聞いてもらう。「小言幸兵衛か鮫講釈か・・・・・・」ということだったので、「鮫講釈!」とリクエスト。「紙入れ」もいいなあ、と思ったんですが。

聞いたことないから、とリクエストしたこの「鮫講釈」が凄かった。膝を扇子でバシバシ叩いての熱演!! 佐藤ゆうこ先生の漫画でも描写されていて、「凄いらしい」とは思っていましたが、あちら(天の岩戸寄席)はお客さん数十人、こっちは一人(+サクラ二人)ですよ! なんてゼイタク! ・・・・・・ちょっと申し訳ない気分にもなりましたが(^^;。

終演後、大満足で帰宅。帰り道、「後ろにいた若い女の人、どっかで見たことあるんだよなぁ」と気になり、考える。・・・・・・あ! あの人、露の団姫さんだ!

宇宙に一番近い町へ~内之浦>志布志~2006/08/09 22:36

内之浦を去る

朝、うだうだしつつ出発の準備。昨夜の残りで朝食をとり、9時過ぎにコスモピアをチェックアウト。志布志に向けて出発しました。

覚悟していたロケットの見える丘PAまでの道はそれほどきつくなく、もうついちゃったの、という感じで到着。その後はほとんど下り坂と平坦路で、たいした苦労もせずに大崎まで辿り着く。行きに気になっていた道の駅「あすぱる大崎」で昼食。宿泊もできるようですが、ロケット打ち上げのときは満員かな・・・・・・?

昼過ぎには志布志に到着。「日本一の鯛焼き」という看板が気になり入ってみる。けっこう有名そうなお店。で、暑かったので宇治金時を食べる。携帯電話でフェリーターミナルの位置を確認し、ターミナルへ。乗船の受付までだいぶ時間があったので、待合室でぼーっとして過ごす。

乗船受付開始、無事席を確保し、乗船。食事をし、風呂に入っているうちに出航。港にいるうちから揺れがすごい。早々に席に引き上げ、横になって揺れに耐える。就寝。

宇宙に一番近い町へ~大阪>志布志>内之浦~2006/08/08 20:41

内之浦宇宙空間観測所・M台地

九州上陸

朝、船は鹿児島県志布志港近くへ。ひとっ風呂浴びてから自分の席で出発の準備をします。

志布志港に到着、しばらくしてから自転車で船を下り、工事車両の多い道を志布志の市街地へ。ファミリーマートで水分等準備、「宇宙に一番近い町」内之浦を目指し大隈半島へ。しばらく非常に走りやすい平坦な道。途中から上り坂が出てくるも、平坦路や下りを挟む為、特に苦労することも無く、内之浦の入り口、ロケットの見える丘PAに到着。自動販売機のある広場には、日本発・世界4番目の人工衛星「おおすみ」のモニュメントが。レーダーのある展望コーナーからは、内之浦の町と、宇宙空間観測所のパラボラを見る事ができます。

PAを出ると、内之浦まではほとんど下り。帰り道を考えると気が重い。あっという間に内之浦市外へ到着。これからの行動を考える。時間的にとんぼ返りは難しそうなので、まずはコスモピア内之浦へ。空いているということなので一泊することに。チェックイン時間には早いとの事で、先に観測所へ行くことに。近所のAコーポで昼食をゲット、宇宙空間観測所へ向かう。

斜度9%の坂が延々と続く山道。道は非常に整備されて、きれいな橋が架かっていますが、自転車で登るのは非常に辛い。景色が良いのだけが救いです。流石、「世界一美しいロケット基地」といわれる内之浦。すっきりと晴れた青空に、澄んだ山の景色、その中にそびえる巨大なパラボラ。何度か休みながらえっちらおっちら登ること30分。ついに観測所のゲートに辿り着きました。

観測所のゲートで記帳。「見学できるのはここから上だけだから」と注意を受ける。ゲートより下、というのは資料センターとM-Vロケットを打ち上げるM台地(ミューだいち)。9月23日早朝の打ち上げに向けての準備が進められているからだと思いますが、ちょっと残念。打ち上げを見に来れば、その後見られるかもしれませんが。打ち上げが土日ということで、見に行きやすいのは嬉しいです。・・・・・・マァ、その日に打ち上がることはまず無いんですが・・・・・・。

んで、見学できる「上の方」へ。ゲートの中に入ると、さっきよりも急な坂が。もう漕いで行く気力が無かったので、自転車を押して記者会見場のある建物の前へ。自販機で水を買い、しばし休憩。その後、建物の前の駐車場をうろうろ。すぐ下がランチャーのあるM台地ですが、よく見えませんでした。

たっぷり休憩したあと、再び坂を上ると、「おおすみ」の記念碑が。その前を通り、さらに登ると観測ロケットの打ち上げ場。展示されているロケットを見るためにずかずかと中へ。観測所内は、特に警備員がいるわけでもなく、見学者は勝手に中をうろついている状態。建物内に入れないとはいえ、現役の施設だろ、いいのか、おい。などと思いつつ見学。

次は、再びおおすみの記念碑の前から別の道を通り、テレメータセンターへ。その前には、解体された18mΦパラボラを流用した休憩所があり、そこでまた休憩。34mΦパラボラを眺めて、「これが動く様子はさぞ壮観だろう」と思う。

自転車にまたがり、20mΦパラボラのある高台へ。日陰に自転車を置き、景色を眺める。絶景。ここまで来て、やっとM台地の組立棟とランチャーを見る事ができました(写真)。

そうこうするうちに、突然パラボラの回転灯が回り、警告音が鳴ったと思うと、まっすぐ天を向いていた20mΦパラボラが動き始めました。巨大なパラボラが素早く回転し、向きを変える様子は大迫力! 巨大ロボットの腕というのはこうゆう感じに動くのかもな、と思いました。まさか動くのが観られるとは思いませんでした。ラッキー!

パラボラが動いたために日向に出てきてしまった自転車にまたがり、山を下ります。ゲートを抜け、内之浦市街へ。本当は発射見学所を下見するつもりだったんですが、また山を登る気にならずそのまま下山しました。コスモピアへ着き、部屋に入ってTVを観ると、今日の内之浦の気温は8月としては観測史上最高だったとの事。暑い筈だ(^^;。併設の温泉に入り、Aコープで買い物をして食事。呑んだくれる。そのまま就寝。